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浮浪雲工房(はぐれぐも工房)は、紙漉きと機械の工房です。

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〒867-0034 熊本県水俣市袋42

商品紹介手工房 〜布の世界〜


希少な和綿

希少な和綿の無農薬栽培から、糸紡ぎ、草木染、機織りまですべて手仕事です

畑で綿を栽培し、収穫した綿から糸を紡ぎ、植物を煮出して草木染をし、機織り機でマフラーを織ります
 
 春……畑に綿の種をまく
 夏……黄色い大きな花が咲く
 秋……ぽっかりはじけた綿の実を摘む

 糸車で糸を紡ぎ、草木で染めて、機で織る
昔から続いてきた綿と人と手のいとなみのぬくもり
昔の人は、いえ人類は(実はつい最近まで)こうして布をつくってきました
ーすべては土の育む生命(植物)からー

昔ながらの日本の手仕事の布づくりを続けています。
是非、手に取ってさわっていただきたいです。
アジアの気候にぴったりな、希少な和綿
綿は世界各地に原産地があり、それぞれの風土にあった綿が各地で栽培されていました。
アジア(インド)原産の和綿は、繊維が短く太く、繊維の中に空洞があるため、吸湿性がとてもよく、湿度の高いアジアの気候に適しています。

しかし、産業革命により綿紡績が始まると、繊維が短いアジア綿は機械紡績には不向きとされ、大量生産からおとされていきました。

今、私たちが着ている木綿の製品は、アメリカ綿、エジプト綿などの長繊維の新大陸綿で、和綿の商品はほとんど流通していません。

オールシーズン使える、独特の風合い

吸湿性、放湿性に優れた和綿は、夏にもおすすめ。
また、繊維が短いという特性により、紡いだ後に起毛するので冬も暖か。
オールシーズンお使いいただける、とても便利な一枚です。

日本の綿はこしの強さ、弾力の強さが特徴的で、日に干すとぱんぱんにふくらみます。(布団にも最適です)

和綿は、長繊維の絹のような柔らかさの新大陸綿とは違い、昔ながらの、こしのあるしっかりとした柔らかさの綿らしい綿です。
お使いいただくうちに柔らかさも変わっていきます。

この希少な和綿の風合いと、すべて手の作業による風合いを、是非味わっていただきたいと思っています。
薬品、化学物質を使わず、自然なままの綿の繊維

40年前に伯州綿の種を手にして以来、希少な種を絶やさないように、
毎年、完全無農薬の自然栽培で、綿を作り続けてきました。

機械紡績、工場生産では、たくさんの薬品が不可欠ですが、
手紡ぎ、手織りの工程では薬品はほとんど使いません。

染もすべて草木染で、媒染剤にはミョウバン、鉄、石灰を使い、
古来から伝わる伝統を大切にした方法で、安全なもののみを使用しています。

皮膚の弱い方やアトピーの方にも安心してお使いいただけます。
水俣で30年綿を栽培。無農薬栽培は、虫とのたたかいの毎日。

和綿の実は下向きにはじけます。乾燥地帯の新大陸綿が上向きにはじけるのに対し、雨の多さに傘をかぶるかのようです。

和綿栽培が日本に定着したのは、戦国時代から江戸時代にかけて。もちろんその頃は、農薬もなく自然栽培されてたと思われます。

和綿はやせた土地でも簡単に育つといわれ、私も最初の頃は無農薬でもそれほど苦労せず、栽培できていました。ところがここ10年くらいは、温暖化のせいでしょうか、花芽と実だけ食べる虫にやれらるようになりました。

栽培において今、一番苦労しているのがこの虫の防除です。竹酢液もかけたりしますが、確実に効果があるのは、一匹一匹つぶすこと。
6月〜8月にかけて、毎日つぼみを開いては虫をつぶします。毎日3〜4時間もかけて行っていますが、これをしないと、ほぼ全滅してしまうのです。

虫(幼虫)の正体をつきとめようと、ビンの中で飼って親(蛾)の姿を確認したり、天敵を探したり、あるいは昔の文献の中にヒントがないか読んでみたり、試行錯誤しながらの毎日です。
 
 収穫した綿は、綿繰り機で種を取り、糸車で糸を紡ぎます

収穫した綿は、よく日に干した後、綿繰り機で種を取ります。
この綿繰り機はとても気持ちの良い道具で、昔の洗濯絞り機のように、2本のローラーの間に綿を入れていくと、綿の繊維だけローラーを通り、種だけ手前に残るという、シンプルだけど無駄のない賢い道具です。

昔は冬の子どもの仕事だったそうです。

種を取り除いた綿は、布団屋さんで綿打ちをしてもらいます。均一にふわっと空気の入った綿は、そのまま布団・座布団になります。

この綿と糸にするには、まず一升ますぐらいの大きさにちぎり、箸を芯にしてくるくるっとまるめます。
芯にしていた箸を抜いてできた筒状の綿を左手に持ち、右手で糸車を回して糸を紡ぎます。

手紡ぎの糸は、均一でなくパターン化できないので、機械紡績では決して作れない糸です。そして人によって、糸の表情も違うのです。
 
 一つとして同じものが無い、草木染めの一期一会の色合い

明治時代に化学染料が入ってくるまでは、染はすべて植物・鉱物によるものでした。

植物による染が、化学染料のようにマニュアル化が難しい理由は、植物自体のもつ色素量が一定でないことにあります。

人間が一人ひとり違うのと同じで、たとえ同じ分量の樹皮を煮出しても色素量は異なり、その植物の生育条件や、採取する時期、採取してすぐに煮出すかあるいは乾燥させてから使うかでも違ってきます。染め方でも、染液を作ってすぐ染めるか、1日おいて染めるかなどでも染に違いが出てきます。例えば桜や梅、ビワの葉などは何日も置くと酸化されてだんだん赤味が増したりします。

自然のもので染めるということは、まったく同じ色には出会えないと思うほど、色は連続していて無限だと感じます。

草木染はやればやるほど疑問も深まり、これで良しとならないのが、本当に面白いところです。

【桜の木を使った染め方】
・桜の木の樹皮の部分をなたで剥いで、煮出します
・ひたひたの水を入れて20〜30分煮だしてざるでこし、それを2〜3回繰り返して染液を作ります
・糸を入れて染めたあと、石灰液につけ、また染液に戻します
・日数をかけると染液がだんだん赤くなり、赤茶〜肌色ピンクになります
・鉄媒染をすれば薄紫がかったグレーになります
 
 最後は、機織り

機織りはまず縦糸をデザインし、それぞれの色の糸の本数などを決めます。
縦糸は織るときの張力に耐えられるように、糊付けをします。
糸を小枠に巻き取り(座繰り)、整経、仮筬通し、巻き取り、綜絖通し、筬通しなどの工程を経て、機織り機に縦糸をかけます。(ここで少しほっとします)

あとは、杼という道具で緯糸を織り込んでいきます。
ここまでの長い長い時を経て、やっと形になる最後のいちばん楽しい作業です。
 
 自然の力とそれを生かす人の手と知恵

綿の種まきから始まり、1枚のストールを織りあげるまで、莫大な時間と労力がかかりますが、昔の人がこうして衣服を作っていたと知ったときは、驚きと感動でした。

大農場で大量の農薬を使わなくても、大きな紡績工場でハイテクと大量の化学薬品を使わなくても、一人の人が春に鍬をもって種をまき、昔の人があたりまえにやってきた技術をもってすれば、人は自分の着る物を作ることが出来るのです。

自然の豊かなアジアの文化は、もともと自然と共生する文化でした。
脈々と続いてきたこの文化を、わずか50〜100年でなくしてしまうのはあまりにも残念なことです。

この人と植物のいとなみが、絶えることなく続いてほしいと思い、今年も和綿の種をまきます。

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